公開日: / 更新日: / 情報確認日: 2026-07-30

「新生児から使える」の起点は1つではない

新生児期からベビーカーを使えるかを調べると、「A型なら生後1か月から」という説明によく行き当たります。ただ、実際に売られているベビーカーの公式表示を1台ずつ見ていくと、使い始めの月齢はそれほど単純に揃っていません。編集部では当サイトに掲載している43機種について、メーカー公式ページなどの表示を確認しました。その結果、使い始めの起点は「生後0か月」「生後1か月」「生後6〜7か月」の3つに分かれ、同じ「新生児から使える」という言い方のなかにも、根拠の違うものが混ざっていることが分かりました。

この記事では、製品安全協会が定めるSG基準と各メーカーの公式表示を突き合わせて、新生児・生後何か月からベビーカーが使えるのかを整理します。あわせて、公式が「生後0か月から」と表示している製品とSG基準の保証月齢がずれる理由、そして首すわり前の姿勢をリクライニング角度で判断できるのかを、確認できた範囲の数値で見ていきます。型そのものの違いを先に押さえたい人は、[A型・B型・AB型の違い]の記事もあわせて読むと位置づけがつかみやすくなります。

関連: A型・B型・AB型の違い

掲載43機種の使い始めは3つの起点に分かれた

使い始めの月齢は、型の名前だけでは決まりません。編集部で確認した43機種を、公式表示に書かれた使い始めの月齢で分けると次のようになりました。確認日は各製品ページを開いた2026年6月下旬から7月末までの範囲です。

月齢で見るベビーカーの使い分け

いつ・どのタイプが向くかの時間軸の目安(対象月齢はモデルごとに異なります)

生後1か月頃〜
主なタイプA型・AB型(首すわり前から)
向く使い方両対面でフラット近くまで倒せる。新生児期の散歩・健診
1か月1歳3〜4歳
生後6〜7か月頃〜
主なタイプB型(おすわり後)
向く使い方軽量コンパクトで持ち運びやすい。2台目・お出かけ用
1か月1歳3〜4歳
1歳半〜3歳頃
主なタイプ軽量B型・バギー
向く使い方歩き始め後の長距離移動の保険として
1か月1歳3〜4歳

対象月齢・体重制限はモデルごとに異なります。購入前に必ずメーカー公式表示でご確認ください。

使い始めの起点該当機種数中心となる型代表例
生後0か月から5機種三輪・A型・AB型・海外型エアバギー ココ ブレーキEX フロムバース/ピジョン epa/マキシコシ レオナ2
生後1か月から23機種A型が中心サイベックス メリオ カーボン/アップリカ ラクーナ クッション AH/コンビ スゴカル air
生後6〜7か月から10機種B型・一部の海外型サイベックス リベル/アップリカ マジカルエアー AI/ピジョン ビングル BB6
月齢の数値表示なし(新生児〜)5機種海外型ヌナ MIXX next/ストッケ エクスプローリー X/ドゥーナ

数のうえでいちばん多いのは生後1か月からの23機種で、その大半がA型です。日本で売られているA型の使い始めは、実質的にこの起点にそろっていると考えて差し支えありません。次に多いのが生後6〜7か月からの10機種で、こちらはB型と一部の海外型が入ります。

注意が必要なのは残りの2グループです。「生後0か月から」と明示している5機種は、A型のなかでも例外的な位置づけになります。もう一つの「新生児〜」とだけ書かれた5機種は、いずれも海外ブランドの製品で、月齢ではなく体重の上限で使用範囲を示していたり、新生児期には別売のキャリーコットを使う前提だったりします。たとえばストッケのエクスプローリー Xは公式表示が「新生児〜体重22kg」で、新生児期はオプションのキャリーコットを使う構成です。日本の月齢表示に慣れていると読み違えやすい部分です。

「生後0か月から」とSG基準の「生後1か月から」は別の話

ここが、調べていていちばん分かりにくかったところです。製品安全協会のSG基準では、A型の適用月齢の指定例として「1か月から48か月まで」「4か月から36か月まで」が示されています。つまり基準の側では、生後1か月が早いほうの起点です。ところが公式表示で「生後0か月から」とうたう製品が実在します。

この食い違いを、ピジョンのepa(エパ)が公式ページで正面から説明しています。同製品は対象月齢を「生後0ヵ月〜36ヵ月頃まで」と表示したうえで、「SG基準での保証対象は生後1ヵ月〜36ヵ月ですが、ご使用は生後0ヵ月から可能です」と書き添えています。SGマークの保証がかかる範囲と、メーカーが使用できるとしている範囲が、同じ製品のなかでずれているということです。

さらにepaは、同じ本体でも状態によって対象月齢を分けています。公式表示では、背もたれを倒したベッド状態が「生後0ヵ月〜12ヵ月頃まで(体重9kg以下)」、起こしたいす状態が「首がすわる生後4ヵ月頃〜36ヵ月頃まで(体重15kg以下)」です。ひとつの製品のなかに、0か月と4か月という2つの起点が同居しています。

海外ブランドでは、そもそもSGマークに触れていない製品もあります。バガブーのバタフライ2は、バガブー公式オンラインストアの表示で対象年齢が「0〜4才(体重22kg迄)」とされていますが、同ページにSGマークやSG基準の記載は見当たりませんでした(航空機の機内持ち込みに関するIATA認定基準への言及はあります)。エアバギーのココ ブレーキEX フロムバースも、公式ページの表示は「対象年齢:生後0ヶ月〜4歳頃まで」で、SG基準についての記載は確認できませんでした。

したがって「生後0か月から使える」という表示を見たときは、それがSGマークの保証を伴った月齢なのか、メーカー独自の使用可能月齢なのかを分けて読む必要があります。どちらが良い悪いという話ではなく、根拠が違うということです。購入前には、その製品の公式ページと取扱説明書で、対象月齢とSGマークの有無をそれぞれご確認ください。

「生後4か月から」のA型は、43機種に1台もなかった

SG基準にはA型の適用月齢として「4か月から36か月まで」という指定例も載っています。この記述から、A型には生後1か月から使えるものと生後4か月から使えるものの2種類がある、と説明されることがあります。

ところが編集部で43機種の公式表示を確認した範囲では、使い始めが「生後4か月から」と表示されたモデルは1台もありませんでした。A型として掲載している製品の起点はすべて生後1か月以前で、4か月という数字が出てくるのは、前述のepaのいす状態のように、同じ製品の別モードを説明する文脈だけでした。

売り場で選ぶ場面に引き直すと、「A型と書いてあっても4か月からかもしれない」と身構える必要は、少なくとも現行モデルについては薄いということになります。むしろ迷いやすいのは、A型・B型という表示自体を持たない海外型のほうです。海外型は日本の型区分に対応しないことがあり、見た目がB型に近くても新生児期から使える構成があったり、その逆もあります。型の名前ではなく対象月齢の数字を先に見る、という順序のほうが確実です。

なお、この集計は当サイトが掲載している43機種についてのものです。市場全体を網羅したものではないため、掲載外のモデルや旧モデルに4か月起点のものがある可能性は残ります。検討しているモデルについては、個別に公式表示をご確認ください。

首すわり前の姿勢は、リクライニング角度だけでは判断できない

「首すわり前でも乗せていいのか」は、新生児期のベビーカー選びでいちばん迷うところだと思います。背もたれが水平に近いところまで倒れれば早い月齢から使える、という説明を見かけますが、公式表示の角度を並べてみると、その見方は成立しませんでした。

製品型・使い始めの起点公式表示のリクライニング角度
ピジョン epaA型・生後0ヵ月105度〜180度(6段階)
ピジョン ランフィ RB5A型・生後1か月100°〜175°
アップリカ カルーンエアー メッシュ ACA型・生後1か月131°〜170°
アップリカ ラクーナ クッション AHA型・生後1か月123°〜166°
サイベックス オルフェオA型・生後1か月4段階 117°/123°/134°/155°
サイベックス リベルB型・生後6か月約100〜125度(無段階)

同じ「生後1か月から」でも、いちばん倒せる角度は175°から155°まで20度の幅があります。155°までのオルフェオも175°まで倒せるランフィ RB5も、公式表示ではどちらも生後1か月頃からです。角度が浅いほど対象月齢が遅い、という関係にはなっていません。

一方で、水平の180°まで倒せるのは、確認した範囲ではepaだけでした。これは同製品が「ベッド状態」という別モードを持ち、生後0ヵ月からの使用を想定しているためです。角度の数値と対象月齢が結びついている例としては、これが分かりやすい形になります。逆に言えば、そこまで明示している製品はむしろ少数派でした。

まとめると、リクライニング角度は「どんな姿勢で乗せられるか」を知る手がかりにはなりますが、「何か月から使えるか」を判断する材料にはなりません。首すわり前から使いたい場合は、角度ではなく公式の対象月齢表示を見て、そのうえで取扱説明書に書かれた首すわり前の使い方の注意をご確認ください。

使えることと、使い始めることは同じではない

公式表示の月齢は、その時期から使える設計だという意味であって、その時期から使うべきだという意味ではありません。実際にいつから使い始めるかは、月齢だけでなく赤ちゃんと家庭の状況をあわせて考えるとよいでしょう。

1か月健診までの外出は最小限にする家庭が多い
生後すぐの時期は、1か月健診を一つの区切りとして、それまでは外出を最小限にする家庭が多いとされています。ベビーカーが新生児期に対応していても、いつから外出を始めるかは赤ちゃんの様子や体調、気候を見て無理のない範囲でご判断ください。外出開始の時期や体調に不安がある場合は、健診や専門家にご相談ください。本サイトはベビーカー選びの観点を整理するもので、外出開始時期の医学的な判断を示すものではありません。
新生児期の移動手段から逆算する
新生児期から頻繁にベビーカーで外出する予定なら、生後0か月または生後1か月対応のモデルが候補になります。逆に、新生児期は抱っこひもや車移動が中心で、おすわり以降にベビーカーを本格的に使う予定なら、B型を1台目に選ぶ考え方もあります。新生児期に何で移動するかをイメージすると、新生児対応が必要かどうかが見えてきます。B型の使い始めについては、[B型ベビーカーはいつから使えるか]の記事で整理しています。
対象月齢と体重上限は公式表示と取扱説明書で確認する
使い始められる月齢、体重の上限、新生児期の使い方の注意は、子どもの安全に関わる事項です。この記事の情報を入口にしつつ、最終的にはメーカー公式表示と取扱説明書でご確認ください。中古や型落ちを検討する場合も、その個体が対応する対象月齢を公式情報で確かめることが大切です。

関連: B型ベビーカーはいつから使えるか

新生児からの使用でよくある質問

新生児(生後0か月)から使えるベビーカーはありますか?

あります。編集部で確認した43機種のうち5機種が、公式表示で生後0か月からとしていました。エアバギーのココ ブレーキEX フロムバースとココ プレミア フロムバース、ピジョンのepa、マキシコシのレオナ2、バガブーのバタフライ2です。ただしこれらはSG基準の保証月齢とは別枠の表示になっていることがあり、ピジョンepaは公式ページで「SG基準での保証対象は生後1ヵ月〜36ヵ月ですが、ご使用は生後0ヵ月から可能です」と説明しています。購入前に公式表示と取扱説明書でご確認ください。

A型ならどれでも生後1か月から使えますか?

編集部が確認した43機種の範囲では、A型として掲載しているモデルの起点はすべて生後1か月以前でした。SG基準には「4か月から」という適用月齢の指定例もありますが、その起点の現行モデルは今回の確認では見つかりませんでした。ただし掲載外の製品や旧モデルまで網羅したものではないため、検討しているモデルの公式表示は個別にご確認ください。

首すわり前でもベビーカーに乗せて大丈夫ですか?

公式表示で生後1か月から、または生後0か月からとされているモデルは、首すわり前の時期に寝かせた姿勢で使うことを想定した設計です。ただし乗せる姿勢、ベルトの調整、走行時の配慮などは製品ごとに異なり、取扱説明書に記載されています。首すわり前から使う場合は、対象月齢を公式で確認したうえで、取扱説明書の使い方に従ってください。発達の状況に不安がある場合は専門家にご相談ください。

リクライニングが深いほど早い月齢から使えますか?

そうとは限りません。公式表示の角度を並べると、生後1か月から使えるモデルのなかにも最大155°のものと175°のものがあり、角度の深さと使い始めの起点は対応していませんでした。角度は姿勢を知る手がかりとして見て、使い始めの月齢は公式の対象月齢表示でご判断ください。

海外ブランドのベビーカーは「新生児から」と書いてあれば新生児期に使えますか?

表示の意味を確認する必要があります。海外型は月齢ではなく体重の上限で使用範囲を示すことがあり、新生児期には別売のキャリーコットやインレイを使う前提のモデルもあります。たとえばストッケのエクスプローリー Xは公式表示が「新生児〜体重22kg」で、新生児期はオプションのキャリーコットを使う構成です。本体だけで新生児期に使えるかは、公式ページの構成と取扱説明書でご確認ください。

新生児からの使用時期のまとめ

ベビーカーが新生児・生後何か月から使えるかは、掲載43機種の公式表示を確認した範囲で、生後0か月・生後1か月・生後6〜7か月の3つの起点に分かれました。数のうえで中心になるのは生後1か月からのA型23機種で、日本で売られているA型の使い始めは実質的にここにそろっています。

失敗しないベビーカー選び 3ステップ

迷ったら、この順番で絞ると候補が一気に決まります

STEP 1 タイプを決める
見るところA型・B型・AB型のどれが生活に合うか
目安新生児期から1台ならA/AB、軽さ重視ならB
STEP 2 生活動線で絞る
見るところ玄関の広さ・電車/車・収納場所
目安折りたたみ寸法と自立収納をチェック
STEP 3 安全と予算で確定
見るところSGマーク・対象月齢・5点式ハーネス
目安価格帯から最終候補を2〜3台に絞る

一般的な選び方の目安です。最終的な仕様・安全表示はメーカー公式と取扱説明書でご確認ください。

例外は、公式表示で生後0か月からとしている5機種です。これはSGマークの保証月齢とは別枠の表示になっていることがあり、ピジョンepaのように公式ページで両者の違いを明記している製品もあります。「生後0か月から」を見たら、その根拠がSG基準なのかメーカー独自の表示なのかを分けて読んでください。

首すわり前に乗せられるかをリクライニング角度から判断することはできませんでした。同じ生後1か月起点でも最大角度は155°から175°まで幅があり、角度と月齢は対応していません。対象月齢・体重上限・新生児期の使い方は子どもの安全に関わるため、この記事を入口にしつつ、最終確認はメーカー公式表示と取扱説明書で行ってください。型選びの全体像は、[A型・B型・AB型の違い]の記事に進むとつかみやすくなります。

関連: A型・B型・AB型の違い

編集部が整理した候補

イチオシ No Image

ピジョン epa(エパ)

ベッド状態といす状態を切り替えられる両対面A形ベビーカー。全輪Φ165mmシングルタイヤで、フレームとシートを分けてコンパクトに収納できます。

A型6.9kg(クッションシート・ヘッドピロー・肩ベルトカバー除く)自立収納可ビッグカート(コット最大15kg+カゴと合わせ合計20kgまで/カゴ単体容量は非公表)

参考価格: 約69,000〜76,000円(公式 税込75,900円/本体69,000円・販売店で変動)

2位 エアバギー ココ ブレーキEX フロムバース

エアバギー ココ ブレーキEX フロムバース

大径エアタイヤと三輪構造で押し心地を訴求するエアバギーの定番モデル。生後0か月から使えるフロムバースシートと、速度調節ができるハンドブレーキ(ブレーキEX)を備えます。

三輪9.5kg要確認バスケット耐荷重5kg(容量Lは非公表)

参考価格: 約75,000〜79,200円(公式 税込79,200円・販売店で変動)

3位 サイベックス オルフェオ(2026年モデル)

サイベックス オルフェオ(2026年モデル)

生後1か月から4歳頃(体重22kg)まで使える本体6.1kgの軽量三つ折りコンパクトモデル。前輪サスペンション・自立収納・ショルダーストラップを備えた背面式です。

A型6.1kg(キャノピー除く)自立収納可耐荷重5kg(容量Lは非公表)

参考価格: 約39,600〜49,500円(公式 税込49,500円・実勢で変動)

価格は変動します。リンク先で最新価格・在庫をご確認ください。順序は編集部が公式表示をもとに整理した目安です。